ビールへの愛を綴る その2

この半年間、禁酒を続けている。

それは当たり前のことなのでしょう。

なんせ、妊婦なのだから。

 

初期、頭ではわかっていたけど、その現実に驚いた。

あぁ、のめないんだった。

覚悟していたはずなのに絶望的な気分になった。

発覚して一か月はひどい腰痛があり、すこぶる体調悪く、

胎児(まだ胎芽)が育っているのか常に不安でもあり、

まだその現実にも気づくことなく酒のことなど考えなかった。

 

が、三か月後くらいから徐々に妊婦という状態になれ始め、

まぁ食事も普通においしいと感じるようになり、

体調もいい日も出てくると、ウォーキングしたりして体も軽くなってきた。

同時に欲求がふつふつと。

あれ?ビールがのみたいな。

あ、でものめないのか。いつまで?

あれ?え?遠いなぁ。え?本気ですか?あれ?我慢するのか?

と、徐々に理解し始めた。

 

腹痛に波があるように、ビール欲求にも波がある。

普段は穏やかなであっても、

波は突然大きくなって、もともと情緒不安定のような状態だから大波来ると

たちまちのまれて自分を失う。

うわーん!のみたいよぉ!!なんでダメなんだよぉ。

 

過去三回ほど泣いた。

やはり最初の大波の思い出は深い。

そう二月に一日だけ異様に気温が上がった日があって春だなぁと散歩にでかけた。

小汗をかいて、家に戻る途中、

「あ、ビール買って帰ろかな。今飲んだらうまいぞ。」

ごく自然に思ってしまったんだ。ナイスアイディアってかんじで。

次の瞬間、膝から倒れるかと思うほどの衝撃。

私は妊婦であった。飲めないのであった。

 

もうそれから、往生際悪く、実は、調べていないだけで

本当は飲んでいいんだよ、みたいなこと書いてあるんじゃないかって

必死でネット上を探し回る。

書いてあるはずもなく、書いてあるのは妊婦なのだから飲まなくて当然。

おなかの赤ちゃんのこと考えたらそんなこと思うはずない、

自覚がなさすぎる、など心に突き刺さる強いお言葉ばかり。

どうすればいいの、この熱い思い。

ノートにひたすらビールがのみたいビールがのみたいと書きまくる。

そんなこと言っても、妊娠したからってみんながみんな、

すぐにそんな風になれるわけないし

長年の習慣というか、ごはんに味噌汁、パンに牛乳、朝は納豆、暑い日はビール

みたいな思考の流れは誰にだってあるでしょう。

だいたい、世の中、添加物ばかりあふれて、ジャンクなフードばかり食べるより

あまーいペット飲料飲むより、ビールなんで麦ジュースじゃん。

麦と水が混ざって発酵しただけなんだから悪いはずない!!

思いのたけをノートに書きまくった。そしてまた泣いた。