夏支度のカレーライス

朝からカレーを作った。

にんじんと玉ねぎと鶏の胸肉という質素なカレー。

 

いよいよもうすぐ臨月になってしまうので近々実家に帰る。

そのまま二か月くらい家を空けることになるので食材の整理。

夫は変わらず生活し続けるが、おそらくそんなに料理をすることはないだろう。

それにこれから夏が始まる。

この部屋は、夏、本当に暑い。

サウナだ。

リビング使いしている部屋にしかエアコンはなく、台所にはもちろんない。

その暑さといったらもう、料理つくるだけでどっと汗が流れて

素麺ゆでる、野菜をちゃっと炒めるくらいが精いっぱい。

そんなところだから食材はあっという間に傷んでしまう。

そのくせ冷蔵庫は極小なのでビールと麦茶、豆腐とトマト、そして常備調味料で

もういっぱいなのだ。

 

うまい具合に中途半端だった調味料が次々なくなってゆく。

そして今日は人参と玉ねぎのストックも減らした。

にんにくは皮をむいて、芽をとってタッパーにいれておけば

冷蔵庫で二か月はもつらしいということを知り、実践。

冷凍庫の中も底の方で眠りかけていた野菜くずもスープにしたり、

たまり続けたネギもどうにかしたりしてすっきりだ。

この空いたスペースに今日作ったカレーをストックしてあげる。

 

計画通りに台所の食材たちが減っていくのはなんだか気持ちがいい。

しかしこの部屋に残される夫としては、さみしくもあるようだ。

洗濯機の上には洗濯の仕方を書いたメモを貼ったり、

カレンダーにはごみのスケジュールを書いたり、準備している私は結構楽しい。

 

台所だけでなく、この部屋は当たり前ながら全体がサウナとなる。

最上階の、角部屋。

築40年以上のアパート。

天井と南側の壁から昼間、サンサンと太陽の光を浴びて、

その溜め込んだ熱を夜中、室内に大放出してくれる。

朝方、外の空気はひんやり気持ちよくなっているのに

部屋の中は関係なくあついまま。

 

私の実家は海辺の街にあり、夏の夜でも窓を開ければそれなりに涼しい風が入り

エアコンいらずで過ごしてきた。

その習慣が今も体から抜けず、エアコンは苦手でどうにかなしでがんばりたい。

が、そんな意地を張ると命にかかわってくるのであきらめた。

しかし、そんな暑いこの部屋にもいい使い方がある。

それは掃除。

一心不乱に雑巾がけをするとどっと汗が噴き出してくる。

イヤホンで激しいロックを聴きながら、歌いながらやるとなおよい。

お部屋もきれいになって、体のデトックスも出たきがするし、

それでシャワーを浴びると爽快気持ちがいいの。

 

今年の夏はとくに熱いらしい。