真夏のできごと

 

ここ数日東京は曇り空続き

気温もそこまで上がることもなく

おまけに陽もすっかり短くなっていて

 

秋ですね

 

ほんの数日前まではうだるような暑さにうんざりしていたのに

秋を感じてしまうと夏が少し恋しくなってしまう

 

けれど、そんなことは言ってられない

夏はサウナのごとく灼熱の我が家に戻ってきた

この数日の曇りであっても室内は蒸し暑い

 

スイカ泥棒だと嘆いていた日から早ひと月過ぎた

その間のひと月は私にとってかけがえのない時間となった

 

ぱんぱんに膨れていた腹が

すっかりさみしくしぼんでしまったと思ったら

私の胸には小さな男の子が乗っかっていた

 

なんだ

このあたたかさ

なんだ

この胸の奥からこみあげてくる感情は

 

そんな瞬間から私はその男の子と四六時中共にしている

日に日にいとおしさが増していく

 

不思議だ

不思議でたまらない

 

一体この子はどこから来たのかしら

産まれてくるよりずっとずっとずーっと前から

私はこの子を知っているような気がする

 

きょろきょろ動く目玉を見ていると

すぃーっと引き込まれていって

なんとも不思議な気持ちになってしまう

 

怒涛のようなひと月が過ぎて

抱き上げる手つきやおむつ替えの手際も

少しずつ板についてきたかしら