道を歩いていると前から7,8歳くらいの女の子が歩いてきて
お母さんのために煮魚を作ってもらいたくて
そこのお店のおじさんに作ってもらったのはいいけれど
くそまずい。
どうしたらいいかな?
と。
とりあえず食べてみてくれと。
西日が貧乏くさいシャッター商店街の一つ
のれんがかかった引き戸をあけるとカウンターだけの細長い店
そのカウンターの中に親父がひとり
自慢気にさぁ食べてくれ
と、煮魚を前にニコニコしている
ひとくち
ねぇまずいでしょう
と女の子は小声でかけてくる
確かにまずいなぁ
とおやじを見るとニコニコを崩さず
自慢気なのでまずいとは言えず
私は女の子の方を見るのだった