変わり続ける街東京、解散する兄弟

昔から思うこと

街が変化していくのを見るのは切ない

 

街は変化していくものなんだとは思うのだ

わかっちゃいるけど、やめられない

切ない気持ちは止まらない

 

2020年の東京オリンピックにむけて

きっとこれからもっともっと街は変化していくのでしょう

そういうところは見たくないからきっとオリンピックの頃までには引っ越しているだろうなと思っていたのに

時は2017年

あと3年でオリンピックだというのに

まだ東京に住んでいる

そしてきっとこのまま住み続けるでしょう

 

オリンピックとは関係なさそうなこの街にも変化の波は押し寄せている

 

さんぽのとちゅうにみつけたちょいとステキな昭和住宅たちはことごとく取り壊されアパートへと変化していく

 

いつかこんな平屋に住みたいなとさんぽの度に妄想して

そしてがんばって働いて大物になって買い取ってやろうと夢見ていたのに

あぁ、気づけば全てアパートに…

 

 

今日もひとつ、お屋敷はショベルカーの餌食となり大胆にお家の中を大公開

あぁ中身はこんなでしたか

今更知ったって遅いのよ

やりきれない気持ちでベビーカーを押す

 

こうなったら甘いものでも買って気をとりなおそうといつもお世話になっている100円ローソンに

 

胡麻せんべいと一口あんぱんを手に取りレジへ

 

 

 

5月31日をもちまして閉店させて頂きます

 

 

昨日はこんなこと書いてなかったのになぜだ!

まさに寝耳に水のできごと

 

 

なくなっちゃうんですか、残念です

 

ええ、急に決まりまして

 

 

思わずレジの兄さんに声をかけてしまった

 

この兄さん、わたしは勝手にミュージシャンだと決めている

見た目は久石譲を若くもっと男らしくした感じ

 背も高くてかっこいい

見た目とは裏腹に少し高めの優しい声をしている

この声がいいのだ

 

もうずいぶん長いことここで働いている

 

私たち夫婦がまだ恋人同士で夜明けまで飲み明かしていた頃から働いている

 

ちなみにこの兄さんにはアニキがいる

アニキと言っても本当のアニキではなく

私たちが勝手にアニキと弟と決めているだけ

 

そしてこの兄弟のことをトランス兄弟と命名している

 

 

話は戻って私たち夫婦がまだ恋人同士で夜明けまで飲み明かしていた頃

 

家に帰る前によく酔っ払って立ち寄った

ベロベロに酔っ払って入店すると

まるでコンビニらしくない

ここはクラブが?と間違うほど

踊りたくなるいい音楽が流れていた

そう

そんな時は決まってトランス兄弟が店番をしていた

 

店長やオーナーたちも寝静まった深夜

有線なんかやめにして

トランス兄弟はお互いのCDをかけあって楽しんでいたのだ

 

2人とも小さくのっている

 

おまえ、いいセンスしてんじゃねえか

兄さんこそこのCDかけるなんてさすがだね

 

とか、なんとか、言ってんのかな

 

そんなトランス兄弟

 

弟はその後昼間の時間の勤務が増えて

ミュージシャンをやめてこのままここの店長になっていくのかしらというほどいい働きっぷり

常連さんへの気配りも素晴らしく

私がベビーカーで来店するとドアを開けて迎えてくれる素晴らしい店長候補

 

アニキは相変わらず夜担当のようだけど

私が夜出歩かないのでまるで会わなくなってしまった

 

 

恋人同士だった私たちも結婚し

子供までできて

このままぼうやの成長も見守っていってくれるのだと思っていた

いつか

いやぁ、ご存知でしょうが子ども産まれましてねぇ

息子ともども今後もどうぞよろしく

なんて挨拶しようと思っていたのに

 

まさかなくなるなんて

 

あぁすごくさみしい

 

 

なくなるまでのあと1週間のうちにお世話になった弟に挨拶したい

ぼうやです

実は長い付き合いとなりましたね、と

ありがとう。さようなら。

お元気で。

 

言えるだろうか

ドキドキ