カニといちご

最近のわたしたちと言えば

毎日カニばかり追いかけている。

 

近所の川で

妹を迎えに行った保育園の前の田んぼで

土日は少し遠出をしても、やっぱりカニを追いかけている。

 

カニを追いかけているのは小一の息子だけで、それ以外の父母妹は反論しつつも黙って従う。

先日も、「明日はカニ。」と言い始めた。

この間もカニ行ったし明日は別のことしようよ、と言ってみても聞く耳持たず

カニの本をずっと読んでいる。

「あいつはカニと言っているけど、従うつもりはない。」と夫婦で固く誓い合いいざ当日。

カニカニうるさい。カニ行くって言ったでしょ。いいとは言ってないでしょ。

それでもさっさとカニ捕獲のスタイルを準備し、待っている。

で、結局カニ採りへ向かっている不思議。

途中ラーメン屋に寄っても

「そんなことしてたらカニ採る時間なくなるでしょ、大盛りなんかにしないで!」

「腹が減っては戦はできぬよ」となだめてラーメンを食う。

 

青い紅葉が美しい川の上流で、カニを探す。

一緒に探して!の声に渋々従う父。自由奔放な妹、それを追う母。

 

捕まえるのはサワガニでバケツへ貯めていく。ここにはいないだろうと思っていた今日のこの場所でも三匹、執念でみつけた。以前行った別の場所では13匹捕まえた。

 

さて、ここで始まるのが、カニを持って帰って飼いたいという。

正直それは困る。かわいそう。やめよう。といつもいうのだが

飼いたい気持ちは増すばかりのようで止まらない。

息子の愛読書、つかまえたらどうする?には飼い方が飼いてあるらしくそれを実践したい、と

 

じゃここは家から少し離れてるから明日近くの川でとって連れて帰ったらどうか。

自分達で提案しつつも、え?明日もカニ?と少し後悔する。

 

翌日、またカニを追う。

今日は父仕事のため、母兄妹の三人で。

 

カニ捕獲スポットまで河原を歩く間に、イチゴをみつけた。カニに興味のない妹は毎日兄のカニに付き合わされて困り顔だったがイチゴをみつけて沸き立つ。

それまでも、「おうちかえりたい」「そっちいきたくない」「あるきたくない」

さんざん駄々をこねて、のろのろ進んできたのに木苺をみつけて一番嬉しそうに食べ始めた。

そんなにおいしくもないのだけど、おいちいおいちいと止まらない。

もう動かない。

兄は痺れを切らしている。

早く進もうって言ってるでしょ!

やだ、いちご。

「ねぇ、妹はさ、カニ好きじゃないけどいっつもカニについてきてるんだよ。怒っちゃいけないよ。自分のやりたいことに人を巻き込むなら一緒にやれば楽しいことあるよって思わせなきゃ。3歳児は大変なのよ。」

で、息子、考えた。

「おーい、こっちにはちょうちょさんがいるよー僕がとってあげるよー」

そしたら妹もいちごはようやくやめて(私もそんなに食うなと止めていたところ)

ちょうちょさんを追いかけに行ってくれた。

そんなこんなでカニスポットに到着。

長い。暑い。

川誰もいない。

 

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