おさんぽから考える労働と消費

労働をしなくなってからのこの半年、消費もまるで減った。

基本毎日の食材と、必要な生活雑貨、あとはたまの外食くらいしか

お金を使っていない。

しかしこれだけでも十分お金は減っていく。

 

ここ数日、都心のオシャレスポットに出没する機会ができた。

まずは東京駅のKITTE。

できたばかりの人でごったがえした頃に一度行ったきり、

平日のその日はすいていてゆっくり見ることができた。

 

小雨降る中、誰もいない屋上もゆっくり見物できた。

4階はオシャレな方の生活雑貨店が立ち並ぶ。

グラスやお皿や急須や茶わん。

凡人の私の生活に取り入れると浮いてしまうほど上質なモノたちが

輝き陳列されている。

欲しいな、とは思う。

しかし収入のない今、それらすべてのものは

まるで美術館に展示してあるものを眺めているかのような気分で見ている。

以前、働いていたころは買うかどうか考えたり、

高くて買えない、働いてるのに買えない。

買おうと思ってきたのに買えなかったなど、そんなことぶつくさ考え

疲れ果てていたけど、そもそも買う気もないと楽しんで見れた。

 

また昨日は神楽坂のla kaguというとこへ行った。

こちらはもっとすごい。

 

東京駅という場所は観光名所でもあり、本当にいろんな人がいる。

私が美術館という視点で見ているのと同じように、

観光名所の一つとしておばちゃんたちがわんさか現れたりする。

そして私がかわいいなと思ったフクロウのだるまを

「こんなもの誰がかうのかしら。かわいくもない。」

と大きな声でけなしたりする。

そんなおばちゃんたちがいてくれるおかげで私も美術館視点でいろいろな店へ

怖気づくことなく入っていけるわけだが、

神楽坂までくるとそうもいかない。

周りをみわたせば意識高そうな人しかいない。

 

アド街ックでやってたぞ

という観光名所的感覚で訪れてしまってはかなり浮いてしまう。

鐘みたいな大きさの巨大なカゴがぶら下がる店内。

これこそ誰が買うのだろうか、そもそも売り物か?

 

しかし、思う。

やっぱり素敵なものがたくさんある。

やっぱり欲しいなと思ってしまうものがある。

もっとちゃんとしないとなと気づかされてしまうほど、素敵なマダムがいらっしゃる。

 

夫と二人、やっぱ東京すげぇなぁとつぶやく。

 

この店に並ぶような家具や食器類が似合うような生活を送れる日が来るのか

どうかは別として、たまにはこんな刺激を受けるのもいいものだ。

そして、こんな素敵なモノたちを少しずつでも買えるくらいの労働なら

また再開したいな。そのためにもいろいろがんばらないとな、と。

 

いろんな刺激をくれる東京はいろんなで意味やはりすごくて

でもやっぱりくたびれる街だ。