夏が始まるころ
実は仕事を始めた
妊娠初期のころ仕事を辞めてから約2年半
専業主婦として過ごしてきた
ぼうやが幼稚園に入るまでは毎日一緒に過ごして、ぼうやの成長を片時も見逃さないぞという気持ちでいた
妊娠初期に仕事を辞めた時、心身ともにヘトヘトでズタボロになっていてもう社会に出て働きたくない!
社会と繋がらずお金に頼らずに生きていきたい
そんな風に思っていたから妊娠中一番がんばっていたのはいかにお金を使わずに生活できるか?
時間はあり余るほどあったから、風呂の残り湯をペットボトルにためてトイレを流す時に使ったり、布おむつを縫ったり、暖は湯たんぽでとったり、歩ける距離はひたすら歩いたり、地味にやり続けた
お金に頼らずをモットーに2年半を過ごしてきたが状況はかわった
母の乳がん
治療にはお金がかかる
なのに会いにいくといつも私のこと、ぼうやのことを心配してお金をくれる
断ってもいつまでもあげられるわけじゃないからとくれる
病気でなかった頃はもらっても使わず貯めときゃいいかとで済んだけど
病気になってからは無駄に心配かけたくないという気持ちで少しでも安心させたい
大人になって、人の親になってもまだ親からお金をもらうなんざなさけねぇ!
治療にもお金がかかるのに何もしてあげられない自分が不甲斐なかった
梅雨のころ、母の手術があって
自宅と実家を往復する頻度が増えた
一歳半ちょいのぼうやをつれて新宿を通過して
計2時間かかる在来線電車の旅
ぼうやの昼寝タイムに重なるよう電車に乗れる時は良かったけど、病院の都合に合わせて行くようになるとそうはいかない
毎回ヘトヘトだった
手術の日くらいはぼうやをどこかへ預けていけないもんかと調べてみたが、受け入れてくれる保育園はどこも駅からも家からも遠いところで手術を終えてから夕方迎えに行くのは間に合わないから夫に頼まなきゃならないけど、っていうか、朝もまにあうか?
それに高いなぁ…面接?間に合わない
日数が足りない
そして夫のひとこと
可哀想だから連れてってあげて
預けることは無理だった
準備不足と、それまでそういったところに預けたことないぼうやを突然一日中見知らぬ場所で初めての人々と過ごさせるのはさすがにぼうやがかわいそうだなぁと私だってそんなの嫌だなという思いと、夫のひとことで手術の日も連れて行くことにした
案の定、大変だった
大雨の日でそれだけでも出発する気が失せる
お昼寝タイムじゃないから電車の中もはしゃいでる
病院につくころようやく寝て、でもすぐ起きて
結局手術中は病院の周りをぼうやとくるくる回って、手術が終わって医師の話を聞くことにも参加できなかった
なんのために行ったのか…
手術の前、もともと私は大変だから来なくていいって話だった
だけど、弟に仕事休めないから姉ちゃんかわりに行ってやってと言われてしまった
夫も仕事は休めないだろうと言っていたな
仕事ってなんじゃい!!
そんなに大切か!
無職だと思ってバカにすんじゃないよ!
ぼうやを連れて、どれだけ大変かおまえらわからんのか!あたくし、泣きたかった
そんな想いで悶々として、ぼうやにも疲れ果てていたころ
働きませんか?
保育園もついてますよと言われて
ぼうやと離れたいと思ってしまって、働いてみることにしたの
でもこの決断をする時もたくさん泣いた
梅雨のころ、私は泣いてばかりだった
今回まったく登場してこなかったじいさんだけど、手術の日もちゃんといたよ
でもじいさんは面倒くさがってぼうやと遊んでくれないし、ケータイの扱いも苦手だから手術が終わっても連絡してくれなかった
まったく男ってやつは!!
自分でやらねばと思ったの