母の乳がんがもたらしてくれたいいこと

ふたりにひとりはがんになるといわれる時代

 

実はうちの母は乳がんなんです

そんなことをうちあけるとだいたい

あぁ、実は私の父も、、、とか

実は親戚に、、、とか結構出てくる

 

打ち明けなければ知りもしないけど

打ち明けてみるとやっぱり多いんだなと感じる

(誰彼構わず打ち明けているわけじゃないんですが、ね)

 

2018年から三年日記をつけていて今二段目

一段目、つまり去年の今頃の私は母の乳がんについて大いに悩み苦しみ悲しんでいる

かわいそうに、去年のわたしよ

 

いつかこの時のつらさが笑い話になるはずさと心の中で信じ

その時出来る事をできる限りやろう、調べようと頑張っていた

 

そして治療を終えた今

笑い話にはなってないが、いい経験だったなと思えるようになっている

とは、がん患者本人の感想ではなくあくまで患者家族の感想です

 

母は元気だ

むしろガンがわかる前より優しく穏やかで、健康的ないいおばあさんになった

実はわたし、がんに感謝している部分もある

 

がんが見つかる前の母はとげとげしくつんつんしてて

元気100倍、健康が取り柄

体調くづしがち、メンタル折れやすい私に対して

病は気からじゃないけれど

結構つらく当たるのだ

そういう母がずっと少し苦手だった

 

里帰り出産で帰省したさいにもマタニティブルーで不安定な私に

母親像をたくさん語り不安をあおり

陣痛で苦しんでいる時にもなぜか意地悪な言葉をかけて落ち込んだ

今でも反省しているんだけど

出産間近「お母さん、呼びますか?」と助産師さんに聞かれて

呼ばないでください、会いたくない!と言っちゃった

 

子を産んでからもぼうやを取られそうなほどの自分勝手な溺愛っぷり

だけどあんまり長く実家に滞在すると嫌味を言われるなどして

だんだんと足が遠のいていた

 

それがガンがみつかって、手術でがんを取り除いた瞬間

まるっとやさしいおばあさんになったのだ

今まで何言っても私の意見など聞いちゃくれなかったのに

ガンを取りのぞいてからは素直に聞いてくれるようになった

意地悪も言わなくなった

 

わたしのほうも

母がただ元気なだけでうれしいと思えるようになった

治療中は実家から自宅へ帰るたび、次会うときはどれほどやつれているのか

不安と悲しみと何もしてやれないふがいなさで家に帰ってから泣いていた

だけど治療が終わると、会うたびに元気に回復している

それだけでうれしかった

ちょっと小言を言われても

まぁ元気な証拠ねと流すことができるようになった

 

言い方おかしいかもしれないが

母がガンになってくれたおかげで母娘は仲良くなれました

命と健康がいかに大切か、痛いほど感じたしね

 

 

もちろん治療中は本人も周りも大変で

もしかして死ぬんじゃないかと不安になる

治療をこのまま続けて正解なのかもわからないまま時間だけが過ぎ

患者はみるみるやつれていく

 

でも大丈夫

信じて見守っていけばいつか終わりは来るんだ

つらいことのあとにはきっといいこと待ってるさ

なーんて

 

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