2Kのアパートのなので、3人でずっとこもってるのはさすがにストレスがたまる。
だから夕方少し前近所を散歩する。
住宅街を歩いて緑道を進みベンチで休憩、そこにはどんぐりが落ちていたり、白詰草やたんぽぽのわたげ、雑草が生い茂っていた。
緑があるところに来ると思っていたより季節が進んでいることに驚く。
都会にいると春の、新緑の進み具合にも疎くなる。
特に今年の春は引っ越してきて初めて迎えた春だっかから、桜が咲いて初めてこんなところに桜があったのかと気付いたり、冬の間に何気なく遊んでいた公園が実は緑豊かな公園だったと新緑が出て初めて気づいたり、この休憩した緑道のベンチにどんぐりがあったりもして世の中知らないことはたくさんあるんだな。
道路を挟んだ向かいの小さな公園のブランコでは子どもたちが楽しそうに遊んでいる。
いろんな乗り方をして、ゲラゲラ笑っている。
夫と息子はどんぐりを拾っている。
もうすでに家にたくさんあるのにまたも持って帰ろうとするからもうやめようと止めた。
じゃぁと始めた遊び。
どんぐりの中身の状態をあてて、割ってみるという遊び。
カラッとしてるか、湿気てカビているか。
持った感じで当てて、石で割って答え合わせをする。
しじみ漁師は採ったしじみを手の中で転がすようにして音を確認し中身が入っているかどうかを選別するというのをテレビでみたが、まぁそんな感じでどんぐりの中身を調べている。
そして小石で潰しては予想通りのどんぐりの状態に喜んでいる。
そんな父の遊びには見向きもせず、息子はたんぽぽのわたげ飛ばしに夢中になっている。
ふぅーっと吹くと、パサーっと飛んでいくわたげ、きれいだな。
ここで思い出すのは私が子供の頃は親にわたげ飛ばすと耳に入って中耳炎になるからやっちゃダメって言われて、真面目にそれ信じて怖くてできなかったなということ。
今、大人になって飛ぶ様をみると、耳には入らないだろうと思った。
ネットで「たんぽぽわたげ 中耳炎」で検索した結果
子どもにわたげを飛ばさないようにするための大人の嘘ですって。
私はそんな嘘を信じて子供の頃わたげ飛ばしという楽しい遊びのチャンスを失ったのだな。
損した気分。
わたげは耳には入らないが人に向けて吹くと服や髪の毛やまつ毛にもくっついたりして大変目障りなのでやはり人のいない方へ吹いて、風に飛んでいく様を見るのが美しい。
息子にもそう何度も説明したが大人が嫌がる様を面白がってわざとこちらへ吹きかけてくる。
自分の方へ向かってくるわたげにはなかなかイラッとしたので、中耳炎になるからやめろと嘘をついた大人の気持ちもわからなくはないがしかし嘘はよくない。
周辺のわたげを飛ばし尽くしたところで帰ることにした。
来年の春も、ここにはたんぽぽが咲いてわたげになるのだろか。
私たちはどんな春を過ごしているのだろうか。
4人になった家族で来年の春もわたげを飛ばして遊べるといいな。