陣痛のはじまり

このまま強くなれば陣痛開始と言えそうなのにな、という痛みが1時間に一度

ほんの数秒だけ起きるという状態で一晩過ごす。

翌日は妊婦健診だった。

昨夜の痛みがそのまま続いて陣痛になって、入院できたら今日の一回分の健診代5000円浮いたのに、残念ながらそうはならず雨の中助産院へ行く。

(妊婦健診補助券は使い切ってしまい足りなくなったのだ)

 

いままでと同じ通り健診して、さぁなんともいつ産まれるかねぇなどと話して助産院を後にした。

 

帰りは夫が迎えに来てくれる。

陣痛が来た時のために登録したカーシェア利用の練習も兼ねてやってくる。

 

電話をかけてみると、イライラした声。

エンジンがかからない。鍵がわからない。

あたふたとやっている。

 

またかけ直すと切られる電話。

 

大雨の中待つ場所に困る。

緊急事態宣言中で飲食店どころかコンビニのイートインもやってない。

待つ場所がない。

少し離れたところに本屋があったことを思い出しいってみるが、わざわざ消毒してまで手に取りたい本を見つけられるほど脳みそは働いてないのだなと並んだ本を見て気づく。

何にも触れずに本屋を出るともうすぐ到着とメールが入り、大雨の中元来た道をまた戻る。

 

家に帰ったらどっぷり疲れて珍しく昼寝をしてしまった。

 

二時間弱寝て、痛みで目覚める。

下にズーンと響く痛みがある。

 

夫に、痛い。くるかも。

きてもいいように早めにご飯食べておきたい。

シャワーも浴びておきたいと伝える。

 

夫が晩ご飯を作ってくれている間にも痛みがくる。

時計をみると10分おきにやってきている。

 

これを10分おきと言っていいのか?と迷うのは痛みの持続時間が短いのだ。

いててと思った瞬間深呼吸してみるとすぐ消えてしまうのだ。

でも次の痛みはきちんと10分後に起こる。

 

迷いつつも、一応助産院に電話。

経産婦だということもあり、きてみたら?と。

 

一人でゆっくり痛みと向き合える環境だったらもうちょっと家で踏ん張っても良かったけど、そうはさせてくれない息子の存在。

一人で寝ていたいが私を心配してちょこちょこ見にきてくれる。

意識が出産へと向かっているのか、頭の中が自分のことでいっぱいになって息子にも夫にも自分の状況を説明するのが面倒になってきていっそ入院してしまいたいと思った。

 

 

夫が作ってくれた目玉焼きスパム丼をモリモリおいしく山盛り食べて

シャワーを浴びてスッキリして。

荷物をまとめて練習してバッチリのカーシェアをまた借りて助産院へと向かったのだ。