密かなる夢

大人になってから密かに思い続けている夢がある

それは

 

おじさんになること

 

まぁ、無理なんですけど

もし変身できる機会があれば

おじさんになって

自由奔放

フーテンの寅さんのように旅してみたい

裸の大将もいいな

 

替えのパンツと石鹸と手拭いと歯ブラシをカバンに詰めて

街を彷徨う

どこにいてもすぐ風景に馴染んでしまう

味のある背中になりたい

 

若い頃、おじさんが集うような店に憧れて

渋めな旅先に憧れて

しかし自分の風貌と周囲の風景との違和感に

いつも心がざわざわしていた

 

例えるなら

東尋坊におじさんが一人でいても

あら、観光ですかで終わるけど

若い女性が一人で東尋坊にいたら

あら、まさか自殺ですか?と人目を惹くのである

 

そんな自意識過剰な娘だったもので

おじさんに憧れていたのです

 

 

 

おじさんになれなくても

女の人にはいいおばあちゃんになるチャンスがある

もっぱら私はいいおばあちゃんを目指して

日々努力している

 

いいおばあちゃんとは?

魔女みたいなおばあちゃん