涙のにじむお引越し 2019ひとり反省会その2

前回引越しについて語った

 

10年住んだアパートを出たのだから

私たち夫婦にとっては相当な変化であった

 

最後の方は

イヤダイヤダ引越したい

もうこんな部屋キライとマイナスなことをたくさん言ってしまった部屋だったが

当たり前ながら荷物を運び出して最後部屋の鍵を閉める時は夫婦で泣いた

 

もうこの扉を開けることは二度とないのだ

 

今まで幾度となく開けてきたこのドアの感触や匂いや感情そして開けた瞬間に見えた部屋の光景が走馬灯のようにふぁーっと流れ去った

 

今までありがとうね

悪口ばかり言ってごめんね

本当は好きだったし、楽しいことたくさんあったよ、本当にありがとう

そう言って鍵を閉めた

 

 

 

さて、この涙の別れをするまでには

また別の涙もあったのだ

 

引越しには2トントラックを一台手配して

あと足りないものは借りたバンで運ぶことにしていた

 

次の部屋は今より狭くなることだしと引越し前、私はひとりせっせとモノを整理した

3歳間近な息子を運良く一時保育に預けられたのでその間捨てたり、売ったり、寄付したり

一生懸命がんばった

 

がんばらなかったのは夫である

もう、本当にモノの整理をしなかった

それにはまず、自分はさほどモノを持ってないと認識していたからだ

 

そんなことはなかった

読まない本はダンボール2つ分あったし

何がはいってるのかわからない書類もダンボール1つ分あった

乗ってないパンクした自転車

使ってない壊れたパソコン

 

当日、いざ荷物を運び出してみると

2トントラックはすぐいっぱいになってしまい

予想よりも多くの荷物が残ってしまった

 

自転車って場所とるんだって

 

残った荷物を借りたバンに詰め込むも、一度では積みきれない!

なんということか!

しかも夫の積み方が汚い!なんじゃこれ!!

 

私は処分したかったソファ

夫はそこまでやらなくたってと言い処分できなかったソファ

心を鬼にして処分すればよかった

パンクした自転車だってなぁ

古本だってなぁ

ちゃんとやってれば一度でスッキリいけたかもしれないのになぁ、、、

 

私はちゃんとしようっていつも言って

一人でできることはコツコツやってきたのになぁ

夫はなんでそんな楽観的なんだ

むかつくなぁ、悲しいなぁ

私の悲しみ、報われなかった努力を少しは同情してくれよ

あぁ情けない、あぁ悔しい!

こんなゴミみたいな荷物に感情をゆすぶられるなんて!

 

まぁなんとかなるんだから大丈夫だよ

クヨクヨすんなよ

 

お前が言うな!

お前のせいだ!

と、言うのもまた悲しくなるだけと思い

ただ心の中で、もうこいつの大丈夫は信用しない、私は今後モノの管理は徹底するし使わないモノは潔く処分する

今日のような気持ちは今後二度と味わわない

と、強く誓ったのであった

 

さて、新居に荷物を置き、昼ごはんだけ食べたらまたも旧居へトンボ帰り

大人だけならまだしも、幼子連れて行ったりきたりで本当いや

 

今夜は旧居に泊まることにした

 

もっとセンチメンタルな気分に浸った夜を過ごせるのかと思ったらこれ、大間違い

荷物を運び出してカスしか残ってない部屋って

もうあの頃の面影は皆無

埃臭くて、ゴミもあってむしろ廃墟

 

私たちこんな汚い部屋に住んでたのかとまた悲しくなった

だのに、夫はキャンプみたいとはしゃいでる

センチメンタルもしっかり感じてカップ酒チビチビ舐めている

全然キャンプじゃない

またも私は情けなくなって泣きながら寝た

 

幸い息子はスヤスヤ眠っていた

こいつも夫よりだなと寝顔を見ながら思うのだった