意地の悪そうな顔をして、夫は言う。
あの時、ちゃんと幼稚園に申し込みに行って正解だったろう？
幼稚園やめる。自主保育がいい。とか言っちゃって、
今の状況見なよ、絶対無理だったろう。
俺のおかげだな、感謝しろ。
なんだ、偉そうに。
そもそもその幼稚園を見つけてきたのは私だよ。
激しい悪阻の中、近隣の幼稚園をまわって比較検討し
夫にプレゼンしたの私だよ。
何度も11月1日が願書提出だから休みとってほしいと言ったのに
聞いてない、そんなの知らないとつっぱねたやつはどこのドイツじゃ！
つわりとホルモンバランスによるメンタル急降下で一気にやる気をなくし
脳みそは死んで、願書なんて書けない。書く暇あるなら寝ていたい。
その上夫に願書提出なんて聞いてないと言われ、
通う本人、息子ときたら
神社仏閣、実家の神棚、道端の地蔵等々見つけては手を合わせ
「僕は幼稚園には行きません。」
と神頼み？とも取れる宣言をする。
もう、幼稚園なんて行かなくていい。
と言ったのは私。
疲れたよ。
朝6時に並ぶなんてバカらしい。
受かるかどうかもわからし。
もういいよ、やめますよ。
もらってきた願書に手をつけないまま迎える１０月３１日のハロウィーンの夜。
俺は明日願書出してくるぞ。
今から書くぞ。
俺のくじ運試しにいっちょ出してくるぞ。
突然言い出し、そこから書き始める願書。
用意だけはしていた写真を貼り付け床につくが眠れない。
翌朝、
自転車に乗って出発する夫。
天気が良くてよかったわ。
小一時間ほどで帰ってきた。
結果は、合格。
くじ運の強さを存分に発揮して人気幼稚園の入学を手に入れた。
あれから一年。
イヤだイヤだと言っていた息子は
毎日楽しそうに通っている。
コロナ太りしていた体はピシッと引き締まり、
妹出産後に続いていた赤ちゃんがえりも落ち着いて
自分で進んでなんでもやって、野菜も食べるようになってきた。
本当に、幼稚園さまさまで母は感謝しております。
息子の有り余る体力を、産後でアラフォーの私には
一緒に自主保育に行って遊ばせるほどの力は、なかった。
自主保育にもすごく憧れはあったのだけど、
まぁそれは数年後、機会があれば娘と一緒に参加してみるのもいいかもね。
入園するまでは本当に毎日通えるのか不安でしかたなかったけど
今はこんなにも楽しそうに通ってくれるなんて。
去年、夫がやる気になってそうしてくじを引き当ててくれてよかったなと感謝。
まぁ、もう少し早くからやる気を出してくれたらもっといいけどね。
